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靖国神社(2014年) | IMCニュース

靖国神社(2014年)

 もしかして顰蹙を買うテーマを今回書こうと思いました。ただこういう見方、考え方もあると言う観点から一度読んでいただけたら幸いです。
 平成25年末の安倍総理大臣の靖国参拝で案の定国外、国内で賛否が言われています。一方靖国問題は現在まで主に外交問題として取りざたされています。我々国民もこの問題は国内問題だから外国がとやかく言うのはけしからん、のような観点から批判する外交問題にしてしまっています。でもこれは本当に単純に国内問題としてしまってもいいのでしょうか?私が思うには靖国問題は外交問題であり、我々日本人がきちんと総括できていない国内問題です。外交問題と言っている内容は、
ポツダム宣言受諾、極東軍事裁判、サンフランシスコ講和条約に基づく外交問題であるからです。次に国内問題ですが、やはりA級戦犯合祀と遊就館の問題です。皆様もご存じのように1975年A級戦犯が合祀されてから天皇陛下は一度も参拝なさっていません。昭和天皇も今上天皇もです。何故なんでしょうか?近隣諸国の感情を考慮してそうなさっているのでしょうか?色々な推測もありますが、陛下はA級戦犯の合祀を快く思っていらっしゃらないのではないかと思います。天皇陛下は、極東軍事裁判で責任を問われませんでした。私は天皇陛下の戦争責任を追及すべきとの立場ではありません。ただ天皇陛下は戦後国民に対し自らの責任をあらゆる機会に行動でお示しになって来たと思います。その中で戦没者の霊にお参りなされていない事を我々国民はもっと重く受け止めなければいけないのではないかと思います。もしかしたら天皇陛下が一番ポツダム宣言やサンフランシスコ講和条約を理解し順守されているのかも知れません。ポツダム宣言の受諾によりその13項に亘る条件を無条件に受諾したことでその履行が課せられるということです。その中にはその後の極東軍事裁判、南京軍事裁判の根拠でとなる一項もあります。それに基ずいた裁判結果は、多くの批判や評価もありますがポツダム宣言を受諾した限り我が国が受け入れなければならない義務でした。またサンフランシスコ講和条約の締結の際もポツダム宣言受諾が基本的条件であると考え我が国はそれを約束し国際社会に復帰できた訳であります。よってこれらの諸条件、約定は現在でも我国を拘束するものです。そこから導き出される結論はA級戦犯等は戦争犯罪人と認めなければいけないということです。それらの人達が合祀されている靖国神社への政府の公式参拝は我国の国際社会への復帰の条件である重要な二つの条約等の違反となると考えます。我々日本人は極東軍事裁判で裁かれたこれらの戦犯の人達を、それで禊が終わったと考えて来てしまったのではないかと思います。そこが我々日本人が戦前の総括をしていない国内問題です。大日本帝国憲法下においてA級戦犯の人達、つまり戦争指導者と言われる人達は罪が無かったのでしょうか。強いて言えば彼らには天皇陛下と日本帝国皇民に対して『国体を危機に瀕した罪』があります。ちょっと聞き慣れないかもしれませんが罪として裁くならそうなります。しかし現在帝国憲法もそれに基づく刑法もありませんから告訴できません。勿論現在の日本の国内法で彼らを裁く事はできません。ですが『告訴しなければならない』とする考えで日本人が戦前の軍国主義を総括することが靖国問題を解決する一助になります。更にこれが近隣諸国の問題をきちんと整理できることになります。また靖国問題のもう一つの問題は遊就館の歴史認識です。このような歴史認識を持つ神社に戦没者の慰霊を祀る資格はないと思います。靖国は西南戦争の政府側戦没者を祀ったのが始まりです。その後日清、日露戦争など日本のために戦い亡くなった方たちを祀っています。第二次世界大戦で亡くなった方々も当然祀られて然るべきと思います。ただ戦争に敗けて靖国が国家管理から外れた時に一度存立を考慮すべきだったと思います。現在民間の一宗教法人である神社が独自の歴史認識を示すことは国家の代表となる資格を失ったと考えるべきです。よく政治家がA級戦犯の合祀は一民間の宗教法人である靖国神社の考える事だと言います。これが政治家の認識であることは非常に嘆かわしい事です。そこに公式に参拝することは遊就館の歴史認識を是認し、ポツダム、サンフランシスコ講和条約によって受け入れた戦争犯罪人であるA級戦犯をも他の戦没者と同じようにお参りする事になると考えているのでしょうか。この考えは『A級戦犯が祀られているのは靖国神社が決めたこと』で自分には関係ないと、二枚舌の所業と言わざるを得ません。日本のために戦い戦没された方々をお祀りし、敬意を払うことは日本人の義務だと思いますが、今の靖国に資格があるのでしょうか。もう一度考え直す時期が来ているのではないかと思います。誤解無いようにお願いしますが私は中国などの国の主張を受け入れてこれまでの論を書いているわけではありません。日本人が戦後復興するために受け入れたポツダム宣言を順守すべきだと考えています。無条件降伏だということです。受託しなければ我が国はもっと悲惨な結果を受けていたと思います。最後に国際条約の約束は順守することが外国に対する信頼を確保できる道です。それは日韓条約、日中平和友好条約も然りです。それを反古にして批判し、請求してくる国の暴挙を受け入れる必要は無いと言う事を肝に銘じて対処していくべきだと思います。もう一度我々日本人は国内問題としての戦前の国の行動を総括しましょう。
尖閣も竹島も北方4島も国際条約に基ずく日本の領土です。